投稿日:2025.11.10

変更覚書(変更契約書)の作成にあたって、シンプルな文書でありながら、「法的な文書として不備がないか」「抜け漏れがないか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

弁護士やベテランの法務部員の方が作成する場合でも、依頼者とのやりとりが必要であったり、ひな型を探しにいったりと、なんだかんだ手間がかかるものです。

この記事では、すぐに使える覚書テンプレートを無料配布するとともに、基本構成や注意点についてわかりやすく解説します。

変更覚書とは?

変更覚書とは、すでに締結されている契約書の内容の一部を変更、追加するために作成される書面です。元の契約の条項を修正・追加・削除したり、定義を変更したりする目的で用いられます。

変更覚書は、それ単体で完結する契約ではなく、元の契約の一部を構成するものとして機能します。そのため、元の契約の条項番号を明記し、どの条項がどのように変更されるのかを具体的に記載します。また、変更覚書で変更されない条項は、基本的には引き続き元の契約の定めが適用されます。

変更覚書を作成した方が良い理由

民法上、契約は当事者の合意があれば口頭でも成立するため、変更覚書は作成が義務付けられているわけではありません。

しかし、次のような理由から、変更覚書を作成するのが良いといえます。

合意内容の明確化

変更された合意内容を書面に残すことで、後々の認識のずれやトラブルを防止することができます。

証拠としての役割

万が一、紛争が発生した場合に、変更された合意内容を証明する客観的な証拠となり得ます。

手続きの簡素化

契約書のすべてを作り直す手間を省き、変更点のみを効率的に記録することができます。

覚書と契約書の違い

覚書と契約書には、法的な効力において原則として違いはありません。

書類のタイトルが「覚書」であっても「契約書」であっても、当事者間の合意内容が明確に記載されていれば、どちらも同様の法的効力を有します。

しかし、次のような使い分けをするのが一般的です。

契約書

取引の根幹となる重要な合意事項を定める際に用いられ、詳細な内容を記載します。

例:不動産売買契約書、業務委託契約書、著作物利用許諾契約書など

覚書

既存の契約内容を変更・補足、あるいは正式な契約の前に仮の合意内容を確認する際などに、簡易な形式で用いられます。

例:売買金額の変更覚書、納期の変更覚書、許諾範囲の変更覚書など

変更覚書を作成する際のポイント

変更覚書を作成する際の主要なポイントは以下のとおりです。

タイトル

「変更覚書」や「変更契約書」のように、どのような書面であるかを明確に記載します。
「〇〇の変更に関する覚書」や「〇〇に関する変更覚書」といった表現も考えられます。

対象となる契約を特定する

当事者間の、どの契約について、覚書を締結するのかを明確にします。例えば、頭書きにおいて次のように記載して明確にします。

例:株式会社●●(以下「甲」という。)と●●株式会社(以下「乙」という。)とは、甲乙間の●●年●●月●●日付け「●●契約書」(以下「原契約」という。)につき、次のとおり契約変更の覚書(以下「本覚書」という。)を締結する。

変更内容を明確にする

この点が一番重要となります。何をどのように変更するのか、具体的かつ明確に記載しましょう。変更内容はケースバイケースですが、例えば次のようなものが考えられます。

条文をまるっと削除する

例:第●条を削除する。

 

条文を追加する

例:第●条として、新たに以下を追加する。

 

売買金額、納期、有効期間などを変更する

例:第●条に定める「売買金額」を以下のとおり変更する。

 

例:第●条に定める「納期」を以下のとおり変更する。

 

例:第●条に定める「有効期間」を以下のとおり変更する。

 

効力が発生する日を明確にする

変更内容について、いつから変更するのかを明確にします。例えば、次のように記載して明確にします。

例:本覚書の効力は、●●年●●月●●日より発生する。

その他の事項

以上の他、必要な定めを記載します。例えば次のようなものが考えられます。

定義

元の契約書で使用されている用語と、覚書で使用する用語が同じ意味であることを明確にすることがあります。

例:本覚書で使用する用語の意味は、本覚書に特段の定めがある場合を除き、原契約で使用する用語の意味に従うものとする。

変更覚書の効力

変更する書面であるため、元の契約書で定めた事項と、変更契約書(変更覚書)で定める事項に矛盾が生じる場合に、どちらの定めが優先するかを明確にすることがあります。

例:本覚書の規定と原契約の規定が矛盾又は抵触するときは、本覚書の規定が優先されるものとする。

変更覚書に記載のない事項の取扱い

変更覚書に記載されていることは、当事者間の契約内容のほんの一部であるため、記載されていない他の事項について、引き続き元の契約が適用されることを明確にすることがあります。

例:本覚書において規定された事項以外の事項については、原契約に定めるとおりとする。

これまでの変更覚書作成フローの問題点/限界

変更覚書の作成業務の限界や問題点について詳しく見ていきましょう。これらの問題点は、特に法務部門の業務効率に直結します。

最低限必要となる作業の存在

変更覚書は、金額を変更する場合や納期を変更する場合など、様々なシーンに合わせて作成する必要があります。そのため、ひな型を用意して運用を行うとしても、1種類だけでは不十分であり、複数種類用意しても適切なひな型を選択するのが困難な場合があります。

また、同様の過去事例を流用する運用を行うとしても、莫大な量の過去事例から探索し、その都度編集する必要があります。このように、これまでのフローでは、変更覚書を作成するためにひな型や過去事例を探索・選択して編集するという最低限の作業が発生してしまいます。

人の手による入力がもたらす人的ミスの回避不可能性

変更覚書の作成は、前述したようなひな型や過去事例を用いた運用を行っていても、そうでなくても、Wordなどを使って書面を編集して作成する必要があります。

このとき、契約当事者名、元の契約書の契約締結日、署名欄などの定型的な情報であっても、人の手による編集を行うことから、どうしても人的ミスが発生する可能性があります。例えば、契約締結日と効力発生日の混同や、当事者名の漢字の誤記などが考えられます。

変更覚書作成フローの硬直性

変更覚書は、元の契約書のどこをどのように変更するかという点について合意したことを証する書面であり、作成の度に元の契約書も異なれば、変更点も異なります。
そのため、

  1. 事業部から作成依頼
  2. 法務部門によるヒアリング
  3. 法務部門にて起案
  4. 事業部による確認
  5. 法務部門による修正
  6. 事業部による確認
  7. 必要に応じて繰り返し

という過程を経て変更覚書を作成するのが一般的です。

しかし、一口に変更覚書といっても、検討すべき事項が多岐にわたり、法務部部門が関与すべき難易度が高い覚書もあれば、契約金額や契約期間を定型的に置換するだけの単純で簡単なものも存在します。

しかし、定型的な置換を行うだけのものであっても、「変更覚書」というだけで、前述の1~7の過程を経て作成することとなっているのが現状であり、必要以上に工数が発生してしまっています。

これらの問題点は、ひな型を用意したり、過去事例のものを流用したりといった運用をもってしても解消することが難しいものです。そのため、より効率的で正確なツールを導入することが、業務効率化の観点から重要になってきます。

OLGAがもたらす解決策

OLGAの覚書作成機能

以上の課題を解決するのが、GVA TECHが提供する法務オートメーション「OLGA」です。OLGAは、AIを活用した高度な覚書ドラフトの作成機能により、皆様が抱える課題を解消し、業務効率化を実現します。

簡単に覚書のドラフトを作成

OLGAは、業務効率化を実現する様々な機能を備えておりますが、その中の1つとして「AI変更覚書」があります。
AI変更覚書は、変更内容を入力するだけで、自動で変更覚書のドラフトを作成できる機能であり、誰でも簡単に変更覚書を作成することができます。

ポイント1:探索・選択の工数を削減

AI変更覚書では、「契約期間の変更」や「金額の変更」その他の項目を複数種類用意しており、ユーザーは、項目を選択するだけで、適切な変更覚書を自動で作成することができます。

作成時に選択する項目毎に覚書のひな型をセットし、複数種類の変更覚書作成に対応することができます。AI変更覚書により、ひな型の選択や過去事例の探索の手間が大幅に減少します。

ポイント2:人的ミスを少なくする自動反映

AI変更覚書では、契約当事者名、元の契約書の契約締結日、署名欄、契約金額など、変更覚書に必要となる定型的な情報を、AIが自動で読み取り、該当箇所に反映させます。

これまで人が手作業で転記していた情報をAIが自動入力することで、人為的な入力ミスを減らし、業務効率を向上させます。また、手入力にかかっていた時間や手間が削減され、担当者はより重要な業務に集中できるようになります。

ポイント3:非専門家でも作成可能な高い操作性

操作は単純でわかりやすく、法務業務の知識や経験がない方でも簡単に適切なドラフトを作成することができます。

AI変更覚書により、法務部門による定型的な変更覚書作成業務を大幅に減らすことができます。

法務業務の効率化を実現するならOLGA

法務担当者が人力で行う変更覚書作成業務の効率化には、前述の通り構造的な限界があります。変更覚書作成業務によって多忙となるあまり、より重要な案件への対応がおろそかになり、業務のクオリティを落とすことは避けたいものです。

OLGAを導入することで、変更覚書作成のストレスのみならず、他部門から依頼を受けた案件の管理をするためのExcel作成や、過去対応した案件を探し出す検索負荷などから解放され、本来法務担当者が注力すべき業務に集中できるようになるでしょう。

この記事の監修者

山本 俊

GVA TECH株式会社 代表取締役
GVA法律事務所 創業者

山本 俊

弁護士登録後、鳥飼総合法律事務所を経て、2012年にスタートアップとグローバル展開を支援するGVA法律事務所を設立。
2017年1月にGVA TECH株式会社を創業。AI法務アシスタント、法務データ基盤、AI契約レビュー、契約管理機能が搭載されている全社を支える法務OS「OLGA」やオンライン商業登記支援サービス「GVA 法人登記」等のリーガルテックサービスの提供を通じ「法とすべての活動の垣根をなくす」という企業理念の実現を目指す。

Xアカウント:@gvashunyamamoto

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