法務コラム
法務と税務のハイブリッドな視点で、常にお客さまの「道しるべ」でありたい
投稿日:2025.07.08
THE PARTNERS
~ビジネスの成長戦略に伴走する法のスペシャリストたち~
代表弁護士 永吉啓一郎先生
2015年設立の弁護士法人ピクト法律事務所は、法務のみならず税務にも強みをもつ法律事務所として、企業顧問を務めるほか400近くの税理士事務所をクライアントとしています。法務・税務両方の視点を持った横断的なアプローチでクライアントへの貢献を目指す同事務所代表弁護士永吉啓一郎先生に、事務所の理念や強み、目指す将来像についてお聞きしました。
お客さまの「道しるべ」に ~事務所名「ピクト」に込めた想い~
― 事務所名「ピクト」にはどんな意味が込められているのでしょうか。
「ピクト」は「ピクトグラム」を想起させる言葉です。東京2020オリンピックの開会式でも話題になりましたよね。「ピクトグラム」は「絵ことば」を意味し、難しい概念を単純で分かりやすい図で表現する手法という意味あいがあります。同様に私たちも、「法律」という難しいものを分かりやすくお客さまにお伝えし、お客さまの明るい未来への道しるべとしてお役に立てればという思いで「ピクト」を事務所名にしました。
また、「ピクト(P・C・T)」の3つのアルファベットにもそれぞれ意味があります。
「P」は「Partner」。企業さま、経営者さまに頼っていただける参謀、つまりパートナーとして付加価値の高いサービスをご提供していきたいと考えています。
「C」は「Change」。とてつもなく速いスピードで変化していく社会情勢、環境を察知し、業界の常識にとらわれることなく変化(Change)に強い組織としてお客さまに伴走していくことを理念としています。
「T」は「Team」。お客さまからのご相談は、特定の弁護士やスタッフが個別に扱うのではなく、チーム編成でさまざまな視点から最適解を導き出す、というプロセスを経ています。企業の経営者さま、ご担当者さまに何でも質問していただけるような、結束力と柔軟性を備えた強固なチームとして伴走していきたいと考えています。
「法務」と「税務」両視点からのサービス展開
ー ピクト法律事務所の特徴はどういった点ですか。
私たちの事務所が特徴的な点は、税務に強い弁護士が在籍しており、「法務」と「税務」両方の視点を持って質の高いリーガルサービスをお客さまにご提供できることです。
私たちが取り扱う法律問題には、常に税法が関わってきます。ですから、お客さまが直面している課題の最適解を求める際、複数ある選択肢からどれかひとつを選択していくプロセスにおいて、法務だけでなく税務の理解が不可欠であると私たちは考えています。
私自身が税務に携わるようになったきっかけは、弁護士になる前に学生起業をした経験です。税理士の先生とやりとりする中で税や会計についての知識を広げ、その後弁護士となってから税務専門の法律事務所に入所しました。さまざまな法律問題を扱う中で感じたのが、ビジネスにおける意思決定には税務も大きな要素の1つである、ということでした。
税務に関わる問題は、民法・会社法などの民事法、企業会計、税法独自の理解が交錯します。現在、380以上の税理士事務所が私たちのお客さまですが、税理士の先生方からの税務相談や税法相談にお答えしている中でも、私たち弁護士が民事法だけでなく税法、税務についても広く理解することの必要性を強く感じています。
また、「税務訴訟」などは、和解も無いため税法に詳しいのみでは足りず、訴訟技術全般の力が求められます。裁判にも精通した私たち弁護士が税法・税務実務にも通じていれば、税理士の先生方が普段の業務の中でどう対応すべきかも分かった上でご相談にお答えできますし、法的トラブルを未然に防ぐ予防法務的なサポートも可能です。
数歩先の未来を見据えて、情熱を持ってお客さまに伴走していく
ー これまでに印象に残っている案件はありますか。
税務訴訟に勝訴した経験はとても印象的でしたね。国(税務署)を相手取った税務訴訟は年間200件弱発生*するとされており、例えば令和5年度の国側敗訴率は7.6%と、勝訴することが非常に難しい案件です。担当者全員がチームとなり、「できることは全てやった」という状態になるまで準備に準備を重ねた上での勝訴でした。
* 国税庁「令和5年度における訴訟の概要」
弁護士の仕事において、最終的な結果に大きな影響を与えるものは、どれだけお客さまにコミットし情熱を持って職務にあたれるかということだと思います。知識量や経験も当然大切ですが、お客さまが進んで行かれる少し先の将来も視野に入れて伴走したいと考えています。
例えば、過去に担当した事業継承ご支援の案件では、事業を後継者の方に円滑に継承できたことにやりがいを感じました。私が先代経営者の方にご提案するのは、継承すると決めたからには後継者の方に経営を全て任せる覚悟で腹を決めてみませんか、ということです。これは、もし腹を決められないのであれば、継承が時期尚早なのではないかという意味を含みます。世の中には、承継後も先代の方に株主総会の拒否権を与えるなどの法的なスキーム提案も多くあります。ただ、先代と後継者の方は同じ人間ではないので、細かいところも含めれば気に食わない、などの理由で意見が対立し、結局会社として何も決められない状態になることもままあります。
私自身は、後継者の方がこれまでとは異なる方法論で、会社を大きく成長させた実例も見ています。最終的な結果はケースバイケースと言わざるを得ませんが、重要なことは、節税対策などの面だけで事業継承を進めたり、法的部分だけにフォーカスしたりせず、お客さまの将来を明確にイメージしながらコミットすることなのではないかと考えています。
ー 先生ご自身の「情熱」の源はどういったところにあるのでしょうか。
お客さまからのご依頼をお預かりした以上は、自分が取り組んだからこそ差が出る、価値が出る結果を導きたいと常々思っていますし、それが私の原動力です。
例えば、資料をどこまで細かく精査するか、どういった順番で情報を整理していくか。限られた時間の中でも価値を出していく工夫はいくらでもあります。私たちは、いかに効率的に時間を使うかを常に意識しながら、案件をお預かりした最初の段階で、最大限の価値を出す仕組みや情報の整理方法などを工夫し、案件を進めていくためのできる限り正確な地図を作りたい。私たちピクトにご依頼いただいたからこそ、より大きな価値が生まれたと思える仕事をしたいと考えています。
私たちピクト法律事務所は、「紛争が起こった時にのみ活動する」のみならず、企業さまの経営判断に直結するいかなる場面においても頼りにしていただけるパートナー、そして「道しるべ」になるべく、今後もチーム一丸となって邁進していきたいと考えています。