大阪市高速電気軌道株式会社

2025.10.27

事業内容: 交通事業、都市開発事業、飲食事業 など

案件の一元管理で属人化を解消し、新旧比較でリスクを早期発見!

法務部

・法務部長 兼 戦略法務課長 熊野 友絵 様
・契約審査課長 杉岡 雅也 様
・戦略法務課係長 兼 契約審査課係長 廣江 泰英 様
・契約審査課 奥野 滉平様

大阪市高速電気軌道株式会社(Osaka Metro)では、法務案件の対応効率化を目的に、法務案件管理システム「OLGA」を導入しました。依頼フォームによる情報の標準化や、案件情報の一元管理、新旧契約書の差分比較機能などを活用し、属人化や作業負荷といった課題の解消を実現。今回は、導入までの経緯や実際の活用方法についてお話を伺いました。

事例の概要とOLGAの法務データ基盤モジュール導入前後の変化

大阪メトロ様導入事例1

大阪メトロ様導入事例2

走り続ける、変わり続ける。

──会社や事業の概要について教えてください

熊野様:
当社は、2018年に大阪市交通局から民営化し、現在は、大阪市内を中心に地下鉄とニュートラム合わせて9路線を有する鉄道を基幹事業としています。また、オンデマンドバスの運行やお客さまとの接点となるMaaSアプリの提供、飲食事業をはじめとする駅ナカ・駅ソトサービスの拡充、マンション・オフィスビルをはじめとする不動産開発など、多角的に事業を展開しています。「走り続ける、変わり続ける。」をコーポレートスローガンとして、大阪から元気を創りつづける「交通を核にした生活まちづくり企業」への変革を目指しています。

──法務の体制と業務内容を教えてください

熊野様:
現在、法務部は6名体制で、「戦略法務課」と「契約審査課」の2課に分かれています。当社には、調達部があり、定型的な契約については、調達部が担当して契約を行っておりますので、非定型な契約や、法律相談等を両課で担当しております。そのほか、戦略法務課では、M&Aや業務提携、出資案件など、いわゆる戦略的な法務対応をしています。

メールとExcelで煩雑化。案件管理の“見えない非効率”が業務を圧迫

──OLGA導入前の法務案件管理の状況と課題を教えてください

熊野様:
もともと、事業部からの依頼はメールで受け取り、案件管理はExcelで行っていました。アサインについては、担当者ごとの抱えている件数を見ながら、仕事量や難易度に応じて割り振るようにしていましたが、Excelへの担当案件の入力が遅れていたり、案件が終了してもステータスが完了となっていなかったりすることもあり、リアルタイムで正確な状況を把握することが難しい状態でした。

Excelには、契約相手名や依頼部署、依頼日、希望納期や案件概要などを入力しておりましたが、1件あたり5分ほどかかっていたと思います。また、アサイン時に、過去の継続案件については、前回の担当者にアサインをしておりますが「この案件は前にも見た気がするけれど、前回は誰が対応していたのか?」と、すぐに担当者が判明しないケースもあり、誰がどの案件を担当しているかを把握するまでに一手間かかっていたため、アサインの判断や情報共有において、タイムロスが生じていたように思います。

夢洲駅

▲2025年1月19日に開業した中央線「夢洲駅」

法務部と依頼者の両方にフィット。現場に浸透する“使いやすさ”を評価

──OLGAを知ったきっかけや導入した経緯を教えてください

熊野様:
きっかけは、メルマガでOLGAのシステム紹介を目にしたことでした。当初は契約書管理システムを探していましたが、ご説明を受ける中で、私自身も前職で案件管理システムを利用していた経験もあり、「やはりシステムを使ったほうが便利だな」と感じる部分が多くありました。そうした背景から、まずは契約書管理よりも先に案件管理の仕組みを整えたいという思いがあり、案件管理機能に注目して導入を進めることになりました。

奥野様:
当時は、他社のサービスも5〜6社ほど比較検討していました。すでにいくつかのサービスの説明を受けていましたが、操作性や費用面に課題があり、なかなか導入に踏み切れずにいた中で、GVAさんからお話を伺いました。私と当時の課長でオンラインデモを拝見し、契約書等の審査を行う法務部と審査の依頼を行う事業部の担当者の双方が使いやすそうだと感じたことが大きな決め手でした。また、費用面でも当社の予算に合っていたことから、総合的に判断してOLGAの導入を決めました。

──特にどのような部分が使いやすそうだと感じましたか?

奥野様:
各事業部の担当者から法務部への依頼は、依頼フォームを通じて行いますが、あらかじめ依頼フォームが整備されていれば、依頼者がそれに沿って入力するだけで依頼が済むので、特別な説明がなくても使えるのではないかと感じました。新しいシステムを導入すると、問い合わせが寄せられるケースが多いと思いますが、OLGAについてはそのような心配が少なく、各事業部にもすぐ馴染む印象を持ちました。

また、依頼者とのやりとりがメールではなくチャット形式で行うことができる点や、各案件における契約書のバージョン管理がシステム内で完結する点も、非常に分かりやすく、デモを拝見した際には「見やすく整理されている」と感じました。

大阪市高速電気軌道様(空飛ぶクルマ)

▲大阪港バーティポート(離着陸場)と空飛ぶクルマ

“一元化”が可能で、自由なフォーム設計がスムーズな導入のカギに

──OLGAの導入時はどのような準備をされましたか?

奥野様:
依頼者側が相談内容を入力するための「依頼フォーム」の設計に注力しました。当時は、メール・チャット・電話など、様々な手段で依頼が届いており、法務部が審査を行ううえで本来必要な情報が揃っていないケースも多くありました。そこで、まずは法務部が審査に必要な情報を整理し、依頼フォームに反映させるところからスタートしました。
たとえば、契約書が当社のひな型なのか、相手方のひな型なのか、既に相手方に提示済みなのか、これから初めて作成する段階なのかといった、依頼時点での状況が把握できるよう、選択肢を設ける工夫をしました。また、審査に必要な情報を正確に収集することを目的に、選択形式で情報を整理しつつ、補足が必要な場合は自由記述欄で補えるように設計しました。

導入時に各事業部から、依頼フォームが使いづらいといった声はなく、導入後も大きな混乱はありませんでした。一部、想定とは異なる内容を依頼フォームへ入力をされるケースはあったものの、多くの場合、依頼フォームに沿って審査を依頼いただいているため、法務部としても、導入前と比べて審査がしやすくなったと感じています。

廣江様:
私自身は2025年4月に事業部から法務部へ異動してきたのですが、その時点で既にOLGAは導入されていました。異動前は事業部の立場で依頼を出しており、特にシステムに対する抵抗感はなく、「こういう項目を入力するのか、じゃあ入れてみよう」という感覚で、自然と使い始めたことを覚えています。
以前はメールで法務部に依頼していましたが、メールに記載する内容は人によってまちまちで手探りでした。部署によって事情は異なると思いますが、初めての担当者でもフォームに沿って入力すれば依頼できるようになり、依頼のハードルは確実に下がったと感じています。

Osaka Metro本町ビル

▲Osaka Metro 本町ビル

すべてが一画面に集約。だから抜けなく・迷わず・引き継ぎもラクに

──OLGA導入による具体的な効果を教えてください

杉岡様:
案件ごとにやり取りや資料が一元的に整理されている点は、非常に便利だと感じています。相談内容や依頼部門が特に気にしているポイント、依頼者とのやり取り、法務部内での検討の履歴など、必要な情報が一つの画面で確認できるため、状況の把握がしやすく、対応もスムーズになります。情報が分散せずにまとまっていることで、対応漏れの防止にもつながっていると感じています。
依頼内容が自動で一元管理されることで、案件管理表への転記漏れ、メールの保管といった課題も解消されました。OLGAを通じて、案件が自然に整理されていく感覚があります。

廣江様:
異動で法務部に来た時点で過去の議論やナレッジが蓄積されていたことで、新任者としても業務に取り組みやすいと感じました。類似案件が過去にあったかどうかを周囲に都度確認しなくても、検索機能ですぐに参照できる点は非常に助かっています。キャッチアップするうえでも、OLGAは操作しやすく、親しみやすいシステムだと感じています。

“新旧の差”がすぐ見える。地味だけど確実に助かる時短機能

──実際によく使っている、OLGAでお気に入りの機能は何ですか?

熊野様:
Wordファイルの新旧比較がボタンひとつでできる点は、実際に使ってみて特に便利だと感じました。以前は、修正履歴が付いていなかったり、履歴が多すぎて差分が分かりにくかったりすることもあり、Wordの比較機能を使って比較していました。OLGAでは、自動で新旧対照表を作成できるため、新旧の比較作業の負担が大幅に軽減されました。導入前はそこまで期待していなかった機能だっただけに、実際に使ってみて「これは助かる」と実感しています。

修正履歴だけでなく、たとえば稟議システムに添付された契約書が法務部で確認した最終版と一致しているかを確認したいときも、OLGAに取り込んでボタンひとつで差分を確認しています。まれに法務部が把握していない内容の修正が加えられたまま契約されそうになるケースもありますが、こうした比較機能によってリスクの早期発見にもつながっています。

──OLGAの活用を通じた業務改善の工夫や、現場での実感を丁寧にお話しいただき、大変参考になりました。このたびは、ご多忙のなか貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。

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