法務コラム

【セミナーレポート】英文契約書レビューの基本を学び、苦手意識を払拭する(動画あり)

セミナーレポート

投稿日:2025.06.16

GVA assist は、テクノロジーで企業法務部の契約業務に関する課題解決を目指すだけでなく、企業法務担当者様にとってお役に立てる情報発信を行っており、その一貫として、契約法務業務に関するセミナーを開催しています。

今回は、GVA assist にお問い合わせいただく際の1つの大きな理由でもある「英文契約書レビュー」をテーマに、内資・外資系企業で30年以上の法務業務をご経験されている、株式会社新企業法務倶楽部 代表取締役 登島 和弘さんにご登壇いただき、
「そもそも、契約書のレビューとはどういった業務か?」
「英文契約書をレビューする際、知っておくべき基本的な事柄とは?」
という2点について、70分超のセミナーを開催しました。

本レポートは、セミナーの概要をまとめたものになります。
※アーカイブ動画をご覧になりたい方はフォームよりお気軽にお問い合わせください。

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第一部:そもそも「契約書をレビューする」とは?

登島さんからは、英文契約書レビューについての講義の前に、そもそも契約書をレビューする行為がビジネスにおいてどういう位置づけなのか、その定義から整理いただきました。

登島さんによる契約書レビューの定義とは、次の5つのステップを経る行為になります。

  1. 当該ビジネスの成立を目指す行為である
  2. 自社が望む「あるべきビジネスの姿」を明確にする
  3. レビュー対象の契約書上に書かれた内容を確認する
  4. 有るべき姿と契約書の内容との差分を明らかにする
  5. 可能な限りその差分を埋めるために必要なことを行う

セミナー内では1~5のプロセスを細やかに分解・解説していただきました。例えば「2.自社が望む”あるべきビジネスの姿”を明確にする」ために必要なことは、次の5つのステップが必要になります。

©株式会社新企業法務倶楽部

このとき、取引関係図を描くなどして、全体像をしっかり把握することが後にとって重要になります。

 

また、実際の契約法務業務において、例えば自社の契約書ひな型と、相手方から戻ってきた契約書とを比較して、その差分を比較・検討することは、皆さんもよくやっていらっしゃると思います。

その際、「契約書上に書かれていること」との差分に終始するのではなく、「あるべきビジネスの姿との差分はなにか」という目線で考えないと、ビジネスの成立から遠ざかってしまいかねず、それは本質的な契約書レビュー業務ではありません。

さらには、「書かれるべき内容が契約書に記載されていない場合」が課題を一番見つけづらく、そういった人間の認知負荷が高い業務にこそ、GVA assist のようなテクノロジーを活用する価値がある、といったお話もいただきました(PR感謝です)。

第一部のまとめとして、日本語の契約書はもとより、外資系企業で数多の英文契約書をレビューしてきた登島さんからすると、「日本語の契約書でも、英語の契約書でも、レビュー業務において成すべきことは基本的に変わらない」と、断言いただきました。

それではなぜ、英文契約書を苦手と感じる方が多いのでしょうか?

登島さんは次の3つの要因があると分析します。

  1. 英語で書かれた契約書に慣れていないので、読みにくい
  2. 外国企業との取引で、ビジネスの全体像を把握しにくい
  3. 準拠法や紛争解決手続きが日本法・日本の裁判手続きでないケースがある

第二部では、上記3要因のうち1番目の「慣れていないので、読みにくい」を払拭するために、知っておいたほうが良い英文契約書の基礎知識をお話しいただきました。

 

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第二部:英文契約書レビュー時に知っておくべき基礎知識

登島さんによると、英文契約書レビューにおいて、次の3点を理解しておくと、そう苦手意識を持たなくても良くなるそうです。

  1. 英文契約書の構造を理解しておく
  2. 「義務=shall」と「権利=may」の違いを理解しておく
  3. 英文契約書特有の英語表現を理解しておく

例えば、「権利と義務」については、単語や文法をきちんと抑えて、その主語を確認することが重要だそうです。

義務 shall ~しなければならない
~するものとする
・be obligated to
・have an obligation to
shall not ~してはいけない
権利 may ~することができる
~する権利を有する
・be entitled to
・have a right to
may not ~することができない

shallとmayについて、動画でもぜひご覧ください。

他にも、第二部では、登島さんにご用意いただいた実際の英文契約書を用いながら、実践的なかたちで他にも様々な基礎知識を講義いただきました。

▼セミナーのアーカイブ動画を視聴したい方はクリック▼

まとめ

繰り返しになりますが、契約書レビュー業務においては、日本語で書かれていても英語で書かれていても、成すべきことや手順にかわりはありません。ただ、英語の場合は文章として特有の”癖”があり、その”癖”を知識として知っておくことで苦手意識は払拭できます、と、登島さんから講義いただきました。

登島さん、ありがとうございました。

なお、講義内容はアーカイブ動画でご覧いただけます。ご覧になりたい方は以下よりお進みください。

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