投稿日:2025.07.17

「法務案件データの分析、どうすれば効率的にできるのだろうか…」

「手動でのデータ集計は非効率で、入力ミスや集計漏れの不安もあってストレスが大きい…」

こういったお悩みはありませんか?

日々の法務案件に関する膨大なデータを、Excelやスプレッドシートを駆使して手動で集計し、その都度必要なグラフを作成する作業は、多大な時間と労力を要します。

この記事では、多くの企業が直面する法務案件データの集計と分析における従来の課題を明らかにし、現状のツールでできる工夫、そしてそれらの工夫だけでは乗り越えられない限界と、法務オートメーション「OLGA」による根本的な解決策について解説します。

従来の案件データの集計と分析フローの実態

多くの企業で採用されているExcelやスプレッドシートを用いた案件データの集計と分析の一般的な流れと、そこに潜む非効率やリスクを見ていきましょう。

手動集計による案件データの抜け漏れ

 

従来のExcelなどを用いた手動集計では、集計対象となる案件そのものの抜け漏れが発生しがちです。 担当者が案件台帳にある情報を目で追いながら手動で集計するため、ヒューマンエラーによる集計対象案件の選定ミスや入力漏れを完全に避けることは困難でした。

目視と手入力による集計作業の大きな負担

 

大量の案件データを一件ずつ確認し、Excelなどの集計表に手入力する作業は、担当者に大きな負担を強いていました。 この目視と手入力による集計作業は、膨大な時間と高い集中力を必要とし、担当者の疲弊を招くだけでなく、他の重要な業務へのリソース配分を妨げる要因ともなっていました。

分析用途に応じた都度のグラフ作成の手間

 

案件データを分析する際には、その目的に応じて様々な切り口でのグラフ作成が求められます。しかし、従来の手作業では、分析したい切り口が変わるたびに、元データから必要な情報を抽出し、Excelなどでグラフを再作成するという手間が発生していました。 これでは、迅速なデータに基づく意思決定や業務改善への活用が難しくなります。

ツールを変えずに最大限工夫する方法:現状のツールでもここまでできる

「理想はシステム導入だけど、今すぐには難しい」という法務部門も少なくありません。現在のExcelやスプレッドシートを用いた集計の中でも、運用ルールの見直しやツールの機能を活用することで、一定の効率化は可能です。ここでは、すぐに実践できる具体的な工夫を紹介します。

データ入力規則の徹底と効率化:

 

データの一貫性と品質を保つためには、入力規則の徹底が不可欠です。

  • 入力項目の標準化
    案件種別、契約類型、担当者、ステータスなどの項目を事前に定義し、プルダウンリストや入力規則を設定することで、表記の揺れを防ぎ、後々の集計作業を容易にします。
  • 必須入力項目の設定
    データ抜け漏れを防ぐために、重要な項目は必須入力とします。
  • 入力用テンプレートの作成
    誰でも同じ形式でデータ入力ができるように、あらかじめ関数や書式が設定されたテンプレートを用意し、運用を徹底します。これにより、入力作業の効率化と入力ミスの削減が期待できます。

集計・分析機能での工夫

 

Excelやスプレッドシートには、集計・分析を助ける強力な機能が備わっています。

  • 関数
    SUMIFS、COUNTIFS、AVERAGEIFSなどの関数を活用すれば、条件に応じたデータ集計が可能です。例えば、「特定の契約類型ごと」「担当者ごと」「期間ごと」の案件数や平均処理時間などを算出できます。
  • ピボットテーブル
    大量のデータから必要な情報を抽出し、様々な角度からクロス集計を行うことができます。ドラッグ&ドロップの簡単な操作で、データの傾向やパターンを視覚的に把握するのに役立ちます。
  • スライサー
    ピボットテーブルと組み合わせて使用することで、データの絞り込みや切り口の変更をインタラクティブに行えるようになります。これにより、より直感的なデータ分析が可能になります。
機能 活用法 工夫のポイント例
関数 条件に基づくデータ集計 案件種別ごとの件数、平均対応日数などを自動計算
ピボットテーブル 多角的なデータ分析 担当者別・月別の案件処理状況を一覧化
スライサー インタラクティブなデータ絞り込みと分析 部署別、契約類型別にグラフを動的に切り替えて表示

テンプレートや自動化機能での工夫

 

定型的な作業は自動化することで、大幅な時間短縮が見込めます。

  • 定型レポート用テンプレートの作成
    月次報告や年次報告など、定期的に作成するレポートのテンプレートを事前に準備し、関数やピボットテーブルを組み込んでおくことで、データ更新だけでレポートが自動生成されるようにします。
  • マクロ (Excel) / Google Apps Script (スプレッドシート)
    繰り返し行う複雑な集計作業やグラフ作成作業を自動化するプログラムを作成します。例えば、「特定のフォルダから最新のデータを取り込み、集計し、定型のグラフを作成して保存する」といった一連の作業をワンクリックで実行できるようになります。ただし、これらの作成とメンテナンスには一定のスキルが必要です。

運用上の工夫

 

ツールの機能を最大限に活かすためには、運用ルールの整備と定期的なメンテナンスが重要です。

  • 定期的なチェック
    関数やマクロが正しく動作しているか、元データに異常がないかなどを定期的に確認します。
  • 保守・運用情報の共有
    作成したテンプレート、関数、マクロなどの仕様や変更履歴をドキュメント化し、チーム内で共有することで、属人化を防ぎ、担当者が変わってもスムーズに運用を引き継げるようにします。

これらの工夫によって、Excelやスプレッドシートを用いた法務案件データの集計と分析業務は、一定の改善が見込めます。しかし、依然として手動でのデータ入力や、複雑な設定・メンテナンスが必要な場面は残ります。そのため、ヒューマンエラーのリスクを完全に排除することは難しく、根本的な業務効率化には限界があることを認識しておく必要があります。

従来型フローの構造的な問題点と限界

Excelやスプレッドシートを工夫して運用してもなお残る、構造的な限界や問題点について、資料で指摘されている主要な課題や限界を基に深掘りします。これらの限界が、なぜ根本的な解決策が必要なのかを、法務担当者やマネージャーの皆様が日々直面しているであろう課題感と結びつけながら明らかにします。

本質的なデータ信頼性の欠如

 

手動作業には案件の見落としや入力ミスが避けられません。Excelやスプレッドシートでの工夫は、入力時のミスをある程度抑制する効果はあります。しかし、これらは「入力されるデータ」の質を高めるものであり、「どの案件が入力されるべきか」という、入力以前のプロセスにおける抜け漏れを防ぐものではありません。

構造的な問題は、案件発生からデータ化までのプロセスが分断されている点にあります。法務案件はメール、口頭、チャットなど様々な経路で発生し、それらを担当者が「認識」し、「台帳に転記する」という手動プロセスを経て初めてデータとなります。この「認識」と「転記」の間に抜け漏れが発生するリスクは、どんなに入力規則を整備しても、関数やピボットテーブルで高度な集計を試みても、根本的には解消されません。マクロによる自動化も、入力されたデータに対する処理の自動化であり、入力前の案件捕捉を保証するものではないのです。

結果として、データの一部が欠落した不完全な状態での集計・分析となり、誤った経営判断や業務改善に繋がるリスクが常に残ります。

非効率な手作業への構造的依存

 

Excelの関数やピボットテーブル、マクロの活用は、特定の集計作業やグラフ作成作業を「高速化」はするものの、データ収集、データクレンジング、そして定期的なメンテナンスといった前後の手作業の多くを不要にするわけではありません。

構造的な問題は、「人にしかできない業務」と「システムで代替可能な業務」の切り分けが曖昧なまま、後者に多大な工数が割かれ続けている点です。例えば、複数のスプレッドシートに分散した情報を一つにまとめる作業、表記の揺れを手作業で修正する作業、定期レポートのために毎回同じ手順で集計ロジックを再構築・確認する作業などは、テンプレートや一部の自動化で軽減できても、担当者の判断や操作が介在する余地が大きく残ります。この結果、法務担当者は本来注力すべき契約戦略の立案、リスクの未然防止策の策定といった高度な専門知識を要する業務への時間を十分に確保できず、部門全体の生産性向上が頭打ちになるという限界に直面します。

硬直的なデータ活用と変化対応力の低い分析基盤

 

分析切り口の変更に伴うグラフ再作成は大きな負担です。Excelのピボットテーブルやスライサー機能は、定義されたデータ範囲内での多角的な分析や可視化を「容易」にはしますが、複数のデータソースを組み合わせて分析したい場合には、結局元データの再設計や複雑な関数の再構築、マクロの修正といった専門的かつ時間のかかる作業に戻らざるを得ません。

構造的な問題は、データが静的な「記録」に留まり、動的な「意思決定資源」として機能しにくいという点です。経営層からの急な分析依頼や、新たな視点での深掘り分析が必要になった際、Excelベースの運用では迅速に対応することが困難です。データ構造の変更は関連する全ての関数やピボットテーブル、マクロに影響を及ぼす可能性があり、その修正と検証には多大な労力を要します。

これは、法務部門がデータに基づいて変化に即応し、戦略的な提言を行う上での大きな足枷となり、結果としてビジネスのスピード感から取り残されるリスクを内包しています。

OLGAがもたらす解決策とメリット

これまで見てきた法務案件データの集計と分析における根深い課題や限界を、法務オートメーション「OLGA」はどのように解決し、どのようなメリットを提供するのか、主な解決策やメリットを中心に具体的に説明します。

案件データの抜け漏れが0になる

 

OLGAでは、案件管理とデータ集計機能が一体化しているため、集計対象となる案件データの抜け漏れを根本からなくすことができます。

OLGA上に案件が作成された時点で、その案件データは自動的に集計の対象となります。 これにより、手動集計時に発生しがちだったヒューマンエラーによる案件の見落としや入力漏れのリスクがなくなり、常に正確で網羅的なデータに基づいた分析が可能になります。

法務担当者やマネージャーは、データの正確性に不安を感じることなく、自信を持って状況把握や意思決定を行うことができます。

案件データの集計作業が0になる

 

OLGAを導入すれば、これまで法務担当者を悩ませてきた目視と手入力による集計作業が一切不要になります。 OLGA上で契約審査や法律相談といった日々の法務業務を行うだけで、関連する案件データが自動的に集計されていきます。

これまで集計作業に費やしていた膨大な時間と労力を完全に削減できるため、担当者はその分のリソースを、より専門性が求められる業務や戦略的な検討に集中させることができます。 チーム全体の生産性向上にも大きく貢献します。

分析に必要なグラフを自動作成

 

OLGAは、集計されたデータをもとに、分析に必要な多様なグラフを自動で作成します。

案件数の推移、契約類型ごとの割合、依頼部署別の案件数など、経営判断や業務改善に不可欠な定量データを、特別な操作をすることなく、ダッシュボード上で直感的に把握することができます。分析の切り口を変えたい場合でも、Excelでグラフを都度作り直すといった手間は一切ありません。これにより、データに基づいた迅速かつ的確な意思決定をサポートし、法務部門の戦略的な価値向上に貢献します。

導入企業の声

実際にOLGAを導入した企業からは、以下のような声が寄せられています。

郵船ロジスティクス株式会社様

「毎日1時間半行っていた案件受付業務がゼロに!
過去の案件ナレッジを活かすことも非常に簡単になり
業務キャパシティが格段に向上しました。」

事例をみる

株式会社エムティーアイ様

「年間1万件以上のExcel管理・ファイル格納の工数が0になり、
過去の案件の検索や分析時間が圧倒的に効率化されました。」

事例をみる

まとめ:効率的かつ戦略的な案件データの集計と分析を実現するならOLGA

これまでみてきたように、案件データの集計作業において、入力規則の徹底や関数の活用といった工夫である程度の効率化は図れるものの、案件データの抜け漏れリスク、依然として残る手作業の負担、そして分析の都度必要となるグラフ作成といった課題の根本的な解決には至りません。

法務オートメーション「OLGA」なら、これらの課題を解決することができます。OLGAを導入することで、案件管理とデータ集計が一体化し、案件データの抜け漏れはゼロになります。 日々の法務業務を行うだけでデータが自動集計されるため、手作業による集計作業そのものが不要となり、担当者の負担を大幅に軽減します。 さらに、分析に必要なグラフも自動で作成されるため、データに基づいた迅速な意思決定や業務改善が可能となります。

これにより、法務部門は煩雑なデータ作業から解放され、本来注力すべき高度な法的判断や戦略策定といったコア業務に集中できるようになります。法務DXの第一歩として、OLGAによる抜本的な業務改革を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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・この記事の著者・監修情報

山本 俊

GVA TECH株式会社 代表取締役
GVA法律事務所 創業者

山本 俊

弁護士登録後、鳥飼総合法律事務所を経て、2012年にスタートアップとグローバル展開を支援するGVA法律事務所を設立。
2017年1月にGVA TECH株式会社を創業。AI法務アシスタント、法務データ基盤、AI契約レビュー、契約管理機能が搭載されている全社を支える法務OS「OLGA」やオンライン商業登記支援サービス「GVA 法人登記」等のリーガルテックサービスの提供を通じ「法とすべての活動の垣根をなくす」という企業理念の実現を目指す。

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