法務コラム

変更覚書をAIで作ってみた!正確性はどの程度なのか?

法務オートメーションコラム

投稿日:2025.07.08

日々、契約内容の変更に伴う覚書作成に追われている法務担当者の皆様。変更覚書の作成は手間と時間がかかり、ミスや抜け漏れのリスクも伴うため、大きな負担となっているのではないでしょうか。近年、AIを活用した法務業務ツールが登場していますが、「本当にAIに任せて大丈夫なのか?」と不安を感じている方も多いはずです。

この記事では、「OLGA」のAI変更覚書機能で変更覚書を作成する際に、AIに任せることの以下のようなリスクと不安について詳しく解説していきます。

  • 正確性: AIは正しい内容で覚書を作成できるのか?
  • セキュリティ: 情報が外部に漏洩するリスクはないか?
  • 法的リスク: 法的な問題は発生しないか?

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変更覚書作成の実態と課題

変更覚書の作成業務には多大な時間と手間がかかり、ミスや抜け漏れへの不安を抱えている方も多くいらっしゃるでしょう。多くの企業で採用されている、手作業と既存のツールを用いた変更覚書の一般的な流れと、そこに潜む非効率性やリスクを見ていきましょう。

一般的な変更覚書の作成フロー

 

変更覚書が必要になった場合、一般的には次のようなフローで作成されます。

①事業部門等が法務部門等に作成依頼

②法務部門等が事業部門等に変更内容を確認

③法務部門等にて変更覚書を作成

④事業部門等にて作成された変更覚書を確認

※修正点がある場合、①~④の繰り返し

これらのフローを経て、変更覚書が完成します。

一般的な業務フローが有する課題

(1)作業時間の長さ

従来、変更覚書を作成する際には、まず事業部門から法務部門に覚書作成の依頼を行います。

このとき、両者間でどの契約のどの部分をどのように変更したいのかといったことをすり合わせます。その後、法務部門において、作成したい覚書のひな型や類似案件を探し、それをダウンロードして編集する方法が一般的でした。

変更覚書には、金額変更や納期変更など複数の種類が存在し、その都度、適切な覚書を探索しなければならないことも、作業時間を長期化させる要因となっていました。

従来のフローを踏襲している以上、覚書のひな型や類似案件を探す手間、そしてその内容を個別に編集する作業は依然として残ります。金額変更や納期変更など、覚書の種類が多岐にわたるため、毎回イチから探し、確認しなければならないプロセスは、法務担当者にとって大きな時間的・精神的負担となり、日々の業務に忙殺される原因となってしまいます。

(2)人為的ミスの発生リスク

変更覚書の作成時には、契約当事者名、契約締結日、署名欄といった定型的な情報も人の手で記載する必要がありました。この手作業のプロセスは、記載ミスが生じやすいというリスクを常に伴います。作成する度に手入力が求められるため、ヒューマンエラーの発生源となっていました。

手作業での情報入力は、どんなに注意を払ってもヒューマンエラーのリスクを完全に排除することはできません。契約当事者名、契約締結日、効力発生日、署名欄などの定型的な情報であっても、手入力によって記載ミスが生じる可能性は常に存在します。

法務未経験者にとっては、さらに不安が募る要因となるでしょう。これにより、変更覚書の品質にばらつきが生じ、法的なリスクを高める結果にも繋がりかねません。

(3)法務部門の業務負荷

変更覚書は法的文書であるため、その作成依頼は必ず法務部門に届くのが一般的でした。たとえ内容が簡単でシンプルな書面であったとしても、ヒアリング、覚書作成、依頼者への確認、そして修正といった一連のプロセスを経る必要があり、これが法務部門にとっても大きな業務負荷となっていました。

これにより、法務部門は本来注力すべき戦略的な業務に時間を割くことが難しくなるという課題を抱えていました。

変更覚書が法的文書である以上、その作成依頼が法務部門に集中することは避けられません。簡単な内容の覚書であっても、ヒアリングから作成、確認、修正というプロセスが必要となるため、これによって法務部門がボトルネックとなり、業務全体のスピード感を低下させてしまう可能性があります。

この結果として、法務部門は本来注力すべき、より複雑で戦略的な業務に時間を割くことができず、組織全体の成長を阻害する可能性もあります。

OLGAがもたらす解決策とメリット

これまでに確認した変更覚書作成の一般的な業務フローにおける課題を、法務オートメーション「OLGA」はどのように解決し、みなさまにどのようなメリットを提供するのか、具体的に説明します。OLGAなら解決できそうだ、と感じていただけることでしょう。

2-1. 変更覚書作成の作業時間を大幅に短縮

 

OLGAを導入することで、変更覚書作成にかかる作業時間を劇的に短縮できます。従来の「ひな型や類似案件を探し、ダウンロードして編集する」という手間は一切不要です。OLGAでは、元の契約書の変更内容を入力するだけで、自動で変更覚書を作成します。

金額変更や納期変更といった複数種類の変更覚書にも対応しており、操作も直感的で簡単なため、誰でも迷わず作成を進められます。これにより、依頼者や法務担当者は、変更覚書作成に費やしていた膨大な時間を、より価値のある業務に充てることが可能になります。

2-2. 変更覚書作成時の人的ミスをゼロに

 

変更覚書作成時のヒューマンエラーは、法務担当者にとって大きな懸念事項です。OLGAは、この課題を根本から解決します。

契約当事者名、契約締結日、効力発生日、署名欄などの定型的な情報は、元の契約書の情報や変更内容の入力情報に基づいて自動で反映されます。これにより、手入力による記載ミスが大幅に削減され、変更覚書の品質が均一化されます。

法的な知識や経験が少ない法務未経験者でも、安心して正確な覚書を作成できるようになり、ミスへの不安が払拭されます。

2-3. 法務部門のコストを削減し、本来業務に集中

 

OLGAは、法務部門の業務負荷を大幅に軽減し、コスト削減に貢献します。変更覚書は、変更内容を入力するだけで自動で作成されるため、専門的な知識や経験は不要です。

これにより、法務部門に集中していた変更覚書作成の依頼を削減し、簡単な覚書であれば各部門で自ら作成できるようになります。法務部門は、ヒアリングから作成、確認、修正といった億劫なプロセスから解放され、より高度な法的判断や戦略策定といった、本来注力すべき業務に集中できるようになります。

変更覚書をAIに任せるリスク、不安

「OLGA」で簡単に変更覚書が作成できることを紹介いたしましたが、AIに契約書のような重要な書類を任せるのは、不安を感じる方も多いでしょう。具体的には、正確性セキュリティ法的リスクなどが挙げられます。

「OLGA」は、高い正確性と万全のセキュリティを備えているので、安心してご利用いただけます。以下に、正確性、セキュリティ、法的リスクの3つの懸念点について解説します。

3-1.正確性

 

AIが作成した結果、正しく変更覚書が作成できず、かえって修正の手間が増えたり、誤った変更覚書を相手方に提示してしまうことに不安を感じることもあるでしょう。ここからは、その正確性についてQ&A方式で説明するとともに、GVA TECHでの検証の結果もご紹介します。

(1)質問: AIは正しい内容で覚書を作成できますか?

回答: OLGAのAIは、既存のテンプレートに情報を穴埋めする形式で覚書を作成します。そのため、変更覚書の文章全てをAIがゼロから作成するものではなく、記載内容を人がコントロールすることが可能です。これにより、作成する変更覚書の内容を事前に人が指定することで、AIが実態とかけ離れた変更覚書を作成してしまうことを防いでいます。

(2)質問: OLGAのAIの精度はどれくらいですか?

回答: GVA TECHでの検証では、OLGAのAIはおよそ97%の精度で情報を穴埋めできます。必要な情報が全て与えられている状態では、ほぼ100%に近い精度で間違いのない覚書を作成可能です。

ただし、情報が不足していたり、指示が曖昧な場合は精度が低下する可能性があります。

AIの精度は、与えられた情報の質と量に大きく左右されます。具体的には、原契約の内容が明確に記載されているか、変更内容の指示が具体的であるかなどが重要です。AIは、これらの情報に基づいて判断し、覚書を作成するため、情報が曖昧な場合は誤った内容を生成する可能性があります。AIの精度を最大限に引き出すためには、以下の点に注意する必要があります。

  • 原契約に、必要な内容の記載があること
  • 日付や金額などの情報は、曖昧な表現を避け、具体的な数値を入力すること
  • 原契約のPDFの解像度が低い場合は、可能な限り高解像度のものを用意すること

(3)質問:必要な情報が不足している場合どうなりますか?

回答:情報が不足していると、AIがそれらしい内容を穴埋めし、誤った内容を生成する可能性があります。

GVA TECHでの検証では、解約の覚書を作成する際に、解約日および覚書の締結予定日を求められているのに、解約日のみを回答した場合を検証しました。この場合、AIは締結日と解約日を同じ日付で出力してしまいました。指示の内容が足りない場合はAIが勝手に判断し、それらしい内容を埋めてしまうことがあります。

次に、同じ解約の覚書で、解約日および覚書の締結予定日を回答してみます。この場合は、AIは正しく締結日と解約日を区別して出力することができました。

この検証から、AIは与えられた情報に基づいて判断するため、指示が不足していると誤った内容を生成する可能性があることがわかります。AIに正確な情報を出力させるためには、必要な情報を全て指示することが重要です。

(4)質問:曖昧な指示を行った場合どうなりますか?

回答:AIは曖昧な指示でも一定の理解ができるものの、完全に正確ではない可能性があります。

GVA TECHでの検証では、契約期間を変更する覚書を作成する際、「●ヶ月」「●年後」「月末」のような曖昧な指示に対して、AIがどのように対応するかを検証しました。この場合、AIは概ね正しく読み取ることができましたが、閏年の考慮ができず、閏年ではない年の2月29日を出力したり、閏年の2月末日を28日と出力することがありました。

これについては、OLGAの内部的なプロンプトに閏年を考慮するような指示を入れたところ、閏年も考慮できるようになりました。

この検証から、AIは曖昧な指示でも一定の理解ができるものの、完全に正確ではない場合があることがわかります。特に、日付に関する曖昧な指示には注意が必要です。

3-2.セキュリティ

 

AIに契約情報を渡すとなると、「情報漏洩のリスクはないのか?」「データは安全に管理されるのか?」といったセキュリティ面での不安は当然出てくるかと思います。確かに、機密情報を取り扱う以上、セキュリティ対策は非常に重要です。

ここからは、OLGAのセキュリティ対策についてQ&A方式でご説明し、皆様の不安を解消していきたいと思います。

(1)質問: 原契約をアップロードすると、内容がOLGAに保存されてしまいますか?

回答: 原契約の内容はOLGAに保存されません。変更覚書に記載する情報を抽出するために文字情報を取得しますが、抽出が完了した後はOLGAに保存されません。OLGAは、原契約の情報を保持しない仕組みを採用しています。ただし、作成した変更覚書のデータは、Wordでの出力をするためにOLGAのサーバーに保持されます。

(2)質問: 原契約や作成した変更覚書の内容が、AIの学習データに利用されることはありませんか?

回答: AIの学習には使用しません。変更覚書を作成する際に、原契約からの内容の抽出、および覚書のテンプレートへの穴埋めのためにAIを使用しており、それ以外では使用していません。

(3)質問: アカウント情報などOLGAに保存されるデータの取り扱いはどうなっていますか?

回答:OLGAは、ユーザーのデータを安全に管理するために、ISMS認証の取得やデータの暗号化など、厳格なセキュリティ対策を講じています。詳細については、OLGAのセキュリティに関する資料(https://gvamanage.com/security/)をご確認ください。

3-3. 法的リスク

 

AIが作成した変更覚書が、法的に問題ないか、著作権侵害にならないかといったご心配もあるかと思います。重要な契約書をAIに任せることに、法的リスクを感じるのは当然です。

ここからは、OLGAの法的リスク対策についてQ&A方式でご説明し、皆様の不安を解消していきたいと思います。

(1)質問: AIが作成した文章が、既存の著作物を無断で利用していることはありませんか?

回答: OLGAは著作権侵害に当たらない作成方法をとっています。OLGAのAI覚書作成は、覚書のテンプレートとして元々登録されているGVA TECH作成のテンプレート、またはご利用のお客様自身で作成したテンプレートに、AIが穴埋めをして作成します。そのため、元の覚書のテンプレートはGVA TECHまたはお客様が作成したものなので、著作権侵害には当たりません。

まとめ:変更覚書作成の自動化と法務業務の効率化を実現するならOLGA

これまで、変更覚書作成における手作業の課題、およびAIを利用する際の懸念点について解説しました。時間と手間がかかる作業、ヒューマンエラーのリスク、そして法務部門への業務集中は、事業を推進するうえで大きな障害となっています。

OLGAは、この課題を根本的に解決し、変更覚書作成の作業時間を大幅に短縮し、人的ミスをなくし、法務部門のコストを削減します。OLGAの導入により、法務業務の劇的な効率化が実現し、リスクを低減しながら、蓄積されたナレッジを最大限に活用できるようになります。これにより、本来注力すべき業務に集中し、事業の成長に貢献する時間が生まれます。現状維持は、非効率とリスクの継続を意味します。

OLGAは、変化の激しいビジネス環境において、法務業務の未来を切り拓く強力なパートナーとなるでしょう。ぜひ、無料体験や資料請求をご検討いただき、OLGAが提供する革新的な法務ソリューションを体感してください。

 

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・この記事の著者・監修情報

山本 俊

GVA TECH株式会社 代表取締役
GVA法律事務所 創業者

山本 俊

弁護士登録後、鳥飼総合法律事務所を経て、2012年にスタートアップとグローバル展開を支援するGVA法律事務所を設立。
2017年1月にGVA TECH株式会社を創業。AI法務アシスタント、法務データ基盤、AI契約レビュー、契約管理機能が搭載されている全社を支える法務OS「OLGA」やオンライン商業登記支援サービス「GVA 法人登記」等のリーガルテックサービスの提供を通じ「法とすべての活動の垣根をなくす」という企業理念の実現を目指す。

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